ノルマンディー地方は海洋性気候の温暖な場所。
ここは降水量が多く、緑が豊かで牧畜に最適な環境で、身を置くと草の良い香りに包まれます。
bocage（木々や生垣で囲まれた伝統的なノルマンディーの土地）が点在し、そこには農家の納屋や牧草地、そしてリンゴの木があり、ノルマンド種の牛が木の下でのんびりと寛いでいて幸せそう。
愛らしいノルマンド種を飼育している牛乳農家は Ferme du Breuil のシャルルさんとマリーさん。とても前向きで研究熱心なご夫婦です。

牧草にこだわるシャルルさんは Système séchage en grange を使った建物を案内してくれました。
この建物は刈った草に風を送り、干し草を作るシステムを導入したもの。
ノルマンディーは良い牧草がたくさん生えるけれど、雨が多く湿度が高いので、干し草作りに苦労しているのです。
乾燥させた草を入れるスペースが巨大。建物に入ると草の香りがして癒されます。
４か月以上前の牧草を見せていただくと青緑色！ハーブやお茶を連想させる香りがあります。
この設備は高額なもの(聞いてびっくり)だそうですが、おかげで牛が獣医さんにかかる回数が激減して、元気ハツラツになったそうです。

また、彼らの仕事も(経費や労働時間)、この乾燥装置のおかげで余裕ができたそうです。
設備には補助金や、乳業メーカーの援助もあるとのこと。

宿に帰ろうとしたとき、ここの農場のお乳を使った Camembert de normandie (Mauve) と他のものとの食べ比べしてみて！と庭にテーブルが用意されていて感激！
ここの乳を使ったものは香りがフワッと広がってとっても繊細。
豊かな旨みと余韻が長く、それらがずっと傍らにいる、という印象。強引な味ではないのです。
そしてシードルも出して頂いて、幸せな時間でした。

Ferme du Breuil の牛乳はカマンベール・ド・ノルマンディ（モーヴ） に使われています。

リンゴの季節には、ノルマンディーのチーズを楽しみませんか。
シードルや果実味のあるワインとどうぞ。